研究概要 |
平成25年度は鉄基板の被覆のためのTi,AlおよびFe粉末の混合処理材のレーザー加熱処理前の塗布状況の影響およびその均一化について主に調査した。塗布被覆材の厚さは基材と被覆材の組成が異なるため本研究の場合そのままレーザー熱処理後の被覆層組成分布に影響を与えると考えられる。Ti,AlおよびFeの粉末を有機溶剤を用いて混合しているが、撹拌機により均一に混合できるようになったものの塗布された状態で塗布厚さがやや不均一であった。これを均一化するために、塗布装置を開発した。レーザー顕微鏡等により被覆材の厚さを測定しつつ試行錯誤を重ね、条件を導き出して以前よりも均一に被覆材を塗布することに成功した。 また被覆層の耐久性を吟味するための酸化試験の検討を行った。酸化そのものに対する耐久性は連続酸化試験により行い、熱応力が付加された場合の被覆層の力学的な耐久性および密着性などを評価するためには室温と高温を繰り返す繰り返し加熱冷却試験が有効であることがわかっている。本研究の場合その両方で評価を行うこととした。酸化温度としてはステンレスが一般的に耐久性を持たない800℃から900℃の温度範囲を考え酸化試験を行った。酸化試験はまだ途中段階であり、これまでに作製してきた様々な条件のうち粉末の濃度のバランス、粉末の粒径、被覆時のレーザー加熱の条件、さらには被覆材の撹拌状態や塗布の状態すべてを吟味して本研究の成果としたいと考えている。
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