本研究の目的は,アルミニウムやマグネシウム等の軽金属材料に対してアクティブスクリーンプラズマ窒化処理を行い,処理の可能性を探索することである。具体的には,スクリーンの材質,処理電圧,ガスの組成等を系統的に変化させてプラズマ窒化処理を行い,処理後の試料表面の組織,硬さ,摩擦・摩耗特性などを調べることによって最適の窒化処理条件を見出す。 (1) スクリーンの作製:ステンレス鋼およびチタンの板材からスクリーンの大きさ,形状,穴の大きさおよび分布等を変化させて種々のスクリーンを作製した。 (2) 処理試料の準備:直径25 mmのチタン合金Ti-6Al-4Vの棒材を精密切断機にて切断後,研磨した。 (3) アクティブスクリーンプラズマ窒化処理:窒化処理は既存のプラズマ窒化装置を用いた。また本アクティブスクリーンプラズマ窒化では,試料を電気的に絶縁する必要があるため,陰極の試料台の上に絶縁性セラミックスを配置した。その後,処理温度,処理時間,窒素と水素のガス組成を変化させて,アクティブスクリーンプラズマ窒化処理を行った。 (4) 特性評価:窒化処理後の試料について,外観,表面粗さ,構造,組織,摩擦・摩耗特性等を調査することにより,アクティブスクリーンプラズマ窒化特性における緻密かつ硬質の皮膜が得られる最適な処理条件を明らかにしようとした。 (5) 成果発表:ドイツで開催された第14回国際プラズマ表面工学会議(PSE 2014)に出席し,成果発表を行った。
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