本研究では,マグネシウム合金母材に溶融法を用いて合金元素を事前添加し,これらの母材をチタン母材に対して摩擦攪拌接合(FSW)により異種金属接合し,事前の合金元素添加が接合界面の反応層に及ぼす影響について検討した.摩擦攪拌接合でのマグネシウム合金側攪拌部では,事前添加した金属片が母材の合金元素と反応しているのが認められた.これらの金属片は合金元素と反応して攪拌部中に分散され,接合界面における金属間化合物層の厚さは,事前添加をしていない接合部と比較して減少した.このことから,合金元素の母材への事前添加してのFSWが,マグネシウム合金とチタンなどの異種金属接合に有効であることが明らかとなった.
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