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2012 年度 実施状況報告書

異周速圧延法によるチタン板材の集合組織制御と高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 24560915
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

黄 新ショウ  独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (80415679)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード異周速圧延 / 純チタン / 組織制御 / 成形性
研究概要

平成24年度は、JIS2種の純Tiに対して異周速比1.36の異周速圧延を行い、プロセス条件が材料組織と成形性に与える影響を調査した。また集合組織の形成メカニズムを調査した。
室温~700℃の材料温度と室温~300℃のロール温度の温度範囲では、高い張出し成形性を得るための適正な圧延温度は、材料とロールの温度が同じ場合では300℃であった。また、ロール温度が150℃以下の場合では材料温度が500℃であった。いずれも、圧延後に面内異方性の小さい底面集合組織が形成しやすいことが理由であると考えられる。
焼鈍の影響を調査したところ、500℃では残留歪みの除去が不十分で、700℃では結晶粒が粗大化するため、650℃で焼鈍すると最も優れた張出し成形性が発現した。
次に、異周速圧延(圧延温度500℃)の進行に伴う集合組織の変化をEBSDにより調べた。その結果、c軸が板幅方向に約35°傾く初期集合組織は、すべり変形により誘起される変形結晶の格子回転により、徐々にc軸が板面に垂直する集合組織に変化することを明らかにした。これは底面すべりの活発化によるものと考えられる。
また、異周速圧延材の焼鈍前後の集合組織変化のメカニズムをEBSDにより調査した。異周速圧延材は、焼鈍を経ることにより、板幅方向にc軸傾斜を示す通常の集合組織に戻る傾向がある。その原因を究明するために、焼鈍に伴う組織変化をEBSDにより調査した。その結果、板幅方向に方位分散を持つ1μm程度の動的再結晶粒がせん断帯領域に存在し、焼鈍中に優先的に成長することにより、板幅方向にc軸傾斜を示す集合組織を形成することを明らかにした。
成形性向上のためには、焼鈍後も底面集合組織を維持する必要があり、そのためには、圧延せん断帯の組織形成を制御することが重要であることがEBSDの結果から示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

JIS2種純Tiに対して高成形性を得るためのプロセス条件を突き止め、集合組織形成の挙動を明らかにした。

今後の研究の推進方策

今年度は得られた適正なプロセス条件をもとに、研究対象材料をJIS1種とJIS3種の純Tiに広げ、不純物の量が集合組織、結晶粒径、機械的特性と成形性に及ぼす影響を調べる予定である。

次年度の研究費の使用計画

純Ti板材と研磨用消耗品などの購入と国際学会(THERMEC2013)出席費用に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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