本研究では,無機多孔質膜上に感温性高分子を被覆することで,温度に応答して分子の透過速度を制御できる膜を合成することを目的とした。また,高分子が体積変化を起こす温度(相転移温度)を変化させる目的で,架橋剤(BIS)を添加した複合膜も合成された。メチルオレンジ(MO)分子をモデル分子として透過実験した結果,相転移温度より高温の方が,低温の場合よりもMO分子透過速度は大きいことが分かった。また,BIS添加量を増加させると低温ではMO分子が膜を全く透過しないことも明らかにした。このように温度を変化させることで分子の透過速度を変化させられる膜の合成に成功した。
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