1.膜モジュールの製造性と耐久性 最終年度は液体膜の支持法(保持法)に改良を加えた。すなわちこれまでの多孔質膜含浸形式に代わり,「ナノ粒子支持形式」を考案し,この製膜法を検討して方法を確立した。当初は1μm程度のゼオライトを混合して液体膜を塗布していたが,50nmの微粒子であるアルミナナノ粒子を液体に混合することで多孔質含浸法と同等以上の液体膜耐圧性が得られることがわかった。このナノ粒子含浸型保持法の耐圧性をエタノールがらイオン液体まで表面張力の異なる各種液体により測定した。 2.実用試験 (A)二酸化炭素濃縮空気供給装置についてはこのナノ粒子支持法とイオン液体/エチレンジアミン混合液による膜構成を確立した。この液体膜構成により,液体膜の二酸化炭素分離性能の耐久性(継続時間)を600時間に延長できた。これによる膜モジュール7第を本年度の極地研(南極)での試験装置として提供した。。(B)液体膜除湿装置については,本年度はバイオポリマー利用に着目して,塩化リチウムとの混合によりキトサン,フィブロイン,DNAのゲル膜における除湿膜としての性能を測定した。特にタンパク質のフィブロインについて高い除湿性能を見いだした。(C)空気中のVOC成分の除去について各種イオン液体についてその分離性能を測定した。
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