本研究では,超臨界溶体急速膨張(RESS)法に着目し,難溶性薬物の微粒化手法としての適用性について検討した.溶質には,超臨界二酸化炭素中での溶質濃度条件により,異なる形態の微粒子が得られるとの報告例のあるケトプロフェンを採用した.RESS法による微粒子の生成において、超臨界二酸化炭素中での溶質濃度が、生成する粒子の形態に与える影響についてSEMによる粒子の形態観察と粒度分布の測定,モデル式を用いた粒子生成メカニズムの考察を行った.その結果,高濃度域では粗大な結晶状粒子が,低濃度域では球形の微小粒子の生成が確認され,表面反応律速モデルと拡散律速モデルにより,粒子形態の変化を説明できた.
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