研究課題/領域番号 |
24560922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 英人 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30116694)
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研究分担者 |
山本 徹也 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10432684)
福井 国博 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60284163)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ゼータ電位 / 湿式分級 / 高精度な粒子分級 / 電気泳動 |
研究概要 |
平成24年度は液体中の粒子沈降法を利用した新型のゼータ電位測定装置を試作した。また試作した装置によるゼータ電位測定結果と現在市販されている測定装置を利用した計測結果を比較することで、信頼性のある装置ができたことを確認した。 試験粒子として球形のシリカ粒子を使用して、また粒子の分散方法としてビーズミルを利用した場合と超音波分散を利用した場合のゼータ電位の計測を実施した。 その結果、開発したゼータ電位測定装置は、ゼータ電位の粒子径依存性を正確に測定できることがわかった。 シリカ粒子のゼータ電位は粒子の分散直後においてその絶対値が最大となり時間の経過に従い絶対値が小さくなることがわかった。シリカ粒子のゼータ電位に関しては、従来の理論では粒子径依存性がないといわれていた。しかしながら今回開発した新型のゼータ電位測定装置を利用することで、粒子の分散直後においてはゼータ電位は粒子径が大きいと負の絶対値が大きくなる場合と、逆に粒子径が小さいと負の絶対値が大きくなる場合が存在することが新たに確認することができた。 次にゼータ電位の粒子径依存性を利用した湿式分級装置を新たに試作してその特性を評価した。その結果、従来は困難とされていたサブミクロン領域で粒子径分布の幅が極めて小さい粒子でも分級操作が可能となる新たな知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゼータ電位の粒子径依存性を正確に測定できる装置が完成して、測定結果がほぼ信頼できることが明確となったことで初年度の研究目的をほぼ達成している。
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今後の研究の推進方策 |
試作した測定装置の内部の構造を更に改良して、測定値の信頼性を向上させたい。 また沈降曲線からゼータ電位を推算するデータ処理ソフトの改良を実施したい。 次に湿式の電気泳動を利用した分級装置を3種類(連続式水篩装置、回分式水篩装置及び電場印加式の液体サイクロン)について試作してその特性を正確に評価したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
電気泳動を利用した分級装置を3種類(連続式水篩装置、回分式水篩装置及び電場印加式の液体サイクロン)試作するのに研究費を使用予定
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