液体中の粒子は一般に正または負に帯電している。液体中の粒子の帯電状態を計測すはゼ-タ電位計が利用されている。しかしながら市販の装置ではゼ-タ電位の粒子径依存性を測定することはできない。本研究では粉体の粒子径測定に利用されている沈降天秤法に改良を加えて新型のゼ-タ電位計を試作した。昨年度の研究では、デ-タ解析ソフトに改良を加えて、沈降曲線が急激に上昇した場合でも信頼性の高い測定値が推算が可能なようにした。さらに1ミクロン以下の粒子である、シリカやポリスチレンにおいて、ゼ-タ電位の粒子径依存性に関する再現性の高い測定値を得ることができた。 次に連続型の湿式分級装置を利用して、サブミクロンのシリカ粒子の分級実験を実施した。その結果、装置内部の電位強度を増加すると、分離径が小さくなり、その移動範囲は1ミクロンから0.6ミクロン程度になることがわかった。 また粒子の分散をするための前処理としては、超音波よりもビ-ズミルの方が効果的に分散することがわかった。その理由は開発したゼ-タ電位計を利用してゼ-タ電位を評価するとビ-ズミル利用の方がゼ-タ電位の負の絶対値が大きかったためである。 さらに電場印加の回分沈降装置も新規に作成してその粒子分離性能を評価した。 その結果、電場強度や待ち時間を変化させることで、分離径を0.8から2ミクロン程度の範囲で可変にすることが可能であることが明確になった。
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