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2013 年度 実施状況報告書

微小液滴の多孔体への浸潤過程の直接数値計算

研究課題

研究課題/領域番号 24560929
研究機関福岡大学

研究代表者

松隈 洋介  福岡大学, 工学部, 教授 (70282241)

キーワード液滴 / 浸潤 / 多孔体
研究概要

多孔体の内部への液体の浸潤現象は、インクジェット印刷や塗装処理など様々な工業用途で見られ、そのメカニズムの解明が幅広い分野への技術応用へつながると期待されている。本研究では、直径約1mmの液滴が、焼結したガラスビーズ多孔体の中へ浸潤する現象を、実験と格子ボルツマン法による解析より調べた。平成25年度には、粘度と充填層の粒子径を変えた実験を行い、液滴の高さを基に測定した浸潤速度は粘度に反比例し、ガラスビーズの径に比例することが分かった。また数値解析では、離散要素法により直径d=10Δx(Δxは計算孔子の間隔)の球形粒子をx, y, z方向がそれぞれ128×128×128Δxの直方体の容器に半分まで充填する計算を行い、空隙率ε =0. 4の充填層を作製した。次にこの充填層の表面に直径D=6dの半球状の液滴を置き、球形粒子の表面に与えた親水性の濡れ性により、液滴が充填層内へと浸潤する過程に格子ボルツマン法を用いて計算した。この結果、液滴高さの時間変化は格子ボルツマン法の解析と定性的に一致することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ガラスビーズにより多孔体を作成し、液滴の高さを定量的かつ良い再現性を持って測定することが可能となった。また、浸潤速度には、液体の粘度および粒子径が大きく影響することを示し、平成25年度に予定した主要パラメータの同定がほぼ完了した。また、格子ボルツマン法による計算モデルを作成し、実験との比較よりモデルの妥当性が確認出来た。

今後の研究の推進方策

平成26年度には、粒子径と粘度を変えた実験をさらに行い、データを蓄積する。また、不織布と発泡体構造など、球形粒子充填層以外での計算を行い、球形粒子充填層と比較する。この比較から、多孔質媒体の空隙率、細孔径分布、屈曲度、細孔同士の連結構造など充填構造を特徴づけるパラメータが浸潤現象に与える影響を検討する。これらの検討より、例えば浸潤速度を増加させるためには、多孔質媒体の空隙率とその分布をどのように制御すれば良いかという指針が得られると期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 焼結ガラスビーズ多孔体への液滴浸潤速度に及ぼす粘度の影響2014

    • 著者名/発表者名
      松隈 洋介・ 久保川 悠生・ 安永 覚・ 切通 貴浩・ 内山 弘規・ 廣橋 由美子・峯元 雅樹
    • 学会等名
      化学工学会 第79年会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20140318-20140320

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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