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2013 年度 実施状況報告書

電場の効果を強化した高速解乳用マイクロリアクターの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560943
研究機関大阪府立大学

研究代表者

武藤 明徳  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00174243)

研究分担者 徳本 勇人  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70405348)
キーワードマイクロリアクター / 解乳化 / エマルジョン / 電場 / 交流電流 / マイクロ流路
研究概要

エマルジョンの調製:本年度は、水とトルエンを所定の比で混合した溶液に、界面活性剤(span80)を全液量の2 wt%となるように添加しその後、ホモジナイザーを用い撹拌速度24000 rpm、撹拌時間1 min で均一に撹拌し、安定なエマルジョンを実験に用いた。
実験装置:昨年度に開発したものと同様の装置を使用した。電場印加装置の内部に2 枚のスペーサーにより、流路空間を確保し、ここにフッ素ゴムチューブ(内径1mm、外径3 mm)を通し、その上下を銅極板で挟み電場強度および波形を制御し印加することで、連続的に流れる液に交流電場を印加した。調製したエマルジョンを、シリンジポンプを用いて電場印加装置(解乳化用マイクロリアクター)に供給した。電場印加部を経て流出した液をメスシリンダーで回収した。解乳化率E (=エマルジョンジョンを調製するときに使用したトルエンの体積に対し、解乳化操作後に回収したトルエンの体積の割合)により評価した。
結果および考察:体積比が 水:トルエン=1:1 のエマルジョンでは、交流電場条件と直流電場条件の実験結果より直流電場より解乳化効果が高いことがわかった。交流電場は直流電場より乳化液滴同士の衝突の頻度が高く、解乳化が進行すると考えられる。同流量条件で電場の強度が異なる電場が強いほど、周波数を高いほど解乳化率は上昇し、電界強度を高くすることが解乳化に効果があることがわかった。また、電場10000 V/cm、周波数10Hz において、エマルジョンの流入速度を減少させ、電場の印加時間を62 sから185 sに増加させると解乳化率が向上し、電場の印加時間の増加も解乳化に効果があることを示唆した。これらの結果から、マイクロ流路を使うことによりエマルジョンに非接触で連続的な解乳化が可能であることが明らかになった。条件によれば、90%以上の解乳化も実現できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度はエマルジョンの破壊条件とメカニズムを解明することが目的であった。
電場の与え方の条件がエマルジョンの破壊にどのように効果があるか、おおよその見当をつけることができた。また、塩の影響、エマルジョンを構成する油と水の比などのエマルジョン側の組成の影響も明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

・解乳化のメカニズムを明らかにするための基礎研究を行うため、水相に塩を溶解させ誘電率などの変化を調べる予定である。
・また実用化も目指して、実際のエマルジョンを入手し、本研究成果を試してみたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

テスト試験の結果が予想以上によく、マイクロリアクターの部品の追加発注が少なくて済み予定額より下回ったためである。
成果も出てきているので、発表や論文に作成に経費を充てる。実用化に向けて装置の改良を進めるため、マイクロリアクターの部品購入に使いたい。高電圧装置に負荷がかかり、解乳化性能が不安定と思われる挙動を示すことがある。今後も高電圧装置を使いたいので、メンテナンスに経費を充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マイクロ流路に発生させた高電場によるトルエン―水系エマルジョンの解乳化

    • 著者名/発表者名
      松本朋之, 徳本勇人, 武藤明徳
    • 学会等名
      化学工学会第45回秋季大会(2013年9月, 岡山)
    • 発表場所
      岡山市

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公開日: 2015-05-28  

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