研究課題/領域番号 |
24560945
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西山 覚 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00156126)
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研究分担者 |
市橋 祐一 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20362759)
熊谷 宜久 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (60437457)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 耐水性酸化物触媒 / 不飽和アルコール合成 / バイオアルコール / 疎水性不均一触媒 / 水素移行反応 / 選択還元反応 / ジルコニウム / 活性炭 |
研究実績の概要 |
平成25年度までは,Zr酸化物触媒の担体にメソポーラスシリカであるMCM-41を用い,Zr活性点への水分子による被毒を軽減するためにメソポーラス細孔内に疎水性のイオン液体分子を導入し耐水性触媒の調製を検討してきた.イオン液体分子末端にシリル基を導入しMCM-41表面のシラノール基と化学結合を形成させることにより導入した触媒が高い耐水性を示した.平成26年度は担体を活性炭として調製したZr/C触媒を用いて,含水アルコール溶媒中での不飽和アルデヒドの選択還元反応を検討した.活性炭担体は,出発物質や賦活処理等によって表面の疎水性を高めることができる.MCM-41に担持したZr/MCM-41触媒(イオン液体未修飾)に比べZr/C触媒は,高い耐水性を示した.Zr/MCM-41では,12.5 wt%の水-2-プロパノール共沸組成の溶液を溶媒に用いたとき,水素移行活性のほとんどが失われるが,Zr/C触媒では,水を含まない2-プロパノール溶媒中での活性の約40 %を維持した.用いた3種類の活性炭は,細孔径,細孔容積が異なり,担体のテクスチャーが耐水性に影響することが示唆された.3種類の活性炭担体ともMCM-41に比べH2Oの単位表面積当たりの吸着容量が半分以下,また吸着速度もそれに伴い低下した.H2Oとの親和性が低く水を弾く性質が高いことがわかった.最も高い耐水性を示した活性炭は,細孔径が小さく,マイクロ孔内の反応場が活性炭表面の疎水性の影響を強く受けるため,活性炭表面に担持されたZr酸化物のナノ微粒子が,H2O分子による被毒から免れ,結果として高い耐水性を示したものと思われる.
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