研究課題/領域番号 |
24560960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 浩 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教 (20294035)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 二次代謝物質 |
研究概要 |
平成24年度はこれまでに取得したドラフトゲノム配列について、データベースに登録されている二次代謝物質物質の主要骨格に関与する遺伝子と相同性を示す遺伝子を探索した。高い相同性を示した遺伝子の周辺領域を探索し、12組の生合成遺伝子クラスター候補を決定した。決定した遺伝子クラスターについて転写解析を行うことにより、同一のクラスターに属している遺伝子群を決定した。 形質転換系においてはマーカー遺伝子としてAspergillusとLecanicillium双方で機能しうる遺伝子が必要であったため、AspergillusおよびLecanicillium由来のウラシル合成遺伝子及び、アルギニン生合成遺伝子について機能解析を行った。その結果、いずれの遺伝子も相手方の遺伝子欠損形質を相補できたことから、どちらの遺伝子もマーカー遺伝子として用いることが可能となった。 利用可能となった二つの遺伝子の内、アルギニン生合成遺伝子を用いてloxP導入用ベクターの構築を試みた。その結果、pCC1FOSへアルギニン生合成遺伝子を組み込むことが出来、また、このベクターがAspergillusおよびLecanicillium双方の遺伝子欠損を相補できることも確認した。 続いて構築したloxP導入用ベクターへ、上記で選択した生合成遺伝子クラスターの両端に位置する遺伝子断片の組み込みを行った。約2000bpの長さの断片が組み込まれたloxP導入用ベクターが完成したことから、現在それらのLecanicilliumへの形質転換を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子クラスターの選択、遺伝子導入用のマーカー遺伝子の機能解析、loxP導入用ベクターの構築も完了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
Aspergillusへ、生合成遺伝子クラスターを導入し、形質転換体での新規化合物の生産を確認する。生産が確認された化合物について、順相クロマトグラフィー、逆相HPLC等により精製を行い、NMR、HR-MSなどにより構造を決定する。得られた化合物が新規化合物であった場合、バクテリア、酵母、糸状菌等への抗菌活性を測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子組換え用の分子生物学用試薬、40万円 形質転換、培養時に用いる生化学用試薬 50万円 生産された化合物の解析に用いる分析用カラム 20万円
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