研究課題/領域番号 |
24560960
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 浩 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教 (20294035)
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キーワード | 二次代謝物質 / Aspergillus |
研究概要 |
平成24年度に形質転換のマーカー系として構築したアルギニン生合成遺伝子argBの変異株が不安定であることが判明したために、今年度新たに、宿主となるAspergillusではウラシル合成系遺伝子pyrGの破壊株を、Lecanicilliumにおいてはトリプトファン合成遺伝子trp1をの変異株およびマーカー遺伝子の取得を行った。さらに作成したtrp1変異株に、trp1遺伝子を導入することで、trp1遺伝子がマーカー遺伝子としてLecanicilliumで機能しうることを確認した。 利用可能となったtrp1遺伝子を用いてloxP導入用ベクターの再構築を行い、さらに、pCC1FOSへウリジン生合成遺伝子pyrGを組み込んだクラスタークローニングベクターを再構築した。続いて上記で構築したloxP導入用ベクターと、クローニング用ベクターを標的生合成遺伝子クラスターの両端への導入を試みた。得られた形質転換株についてPCRおよびサザン解析により遺伝子型解析を行ったところ、想定した位置に両ベクターが挿入された目的形質転換株が得られたことが確認できた。 次にCre酵素によるクローニングベクターの切り出し条件について検討を行った。まず、試薬に付属のコントロールを用いて、切り出しに至適な条件を決定した。続いて上記で得られたLecanicillium形質転換体からゲノムを抽出し、Cre酵素の反応を行った。現在、その至適条件を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クローニングに必要なloxP配列を標的クラスター両端に導入することに、成功し、クローニング実験を行う段階まで進んでいるから。
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今後の研究の推進方策 |
クラスターをクローニング後、宿主であるAspergillusに導入する。得られた形質転換体を培養し、新たに生産される化合物を探索する。見出された化合物について、精製を行い、NMR,MS等により構造決定を行う。さらに得られた化合物が新規構造を有する場合は様々な生物活性を測定する。
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