平成26年度は、前年度までに作成した形質転換体について、形質転換体でのみ生産が確認された化合物について解析を進めた。しかしながら、標的化合物は不安定であり、精製には至らなかった。 その原因として麹菌に導入した遺伝子領域(28kbp)は最終産物を作るには遺伝子が足りておらず、不安定な中間代謝物が生産されたためと考えられた。 そこで、さらに広い遺伝子領域(48kbp)を導入した形質転換株の作成を試みた結果、より長い領域を有する形質転換体の作成に成功した。得られた形質転換株について生産する代謝物の解析を行ったところ、長い領域を含む形質転換体のみで生産が確認された化合物が見出された。精製を進めた結果、得られた物質は新規構造を持つ化合物であると推定できた。
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