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2013 年度 実施状況報告書

マリンメタゲノム由来の生理活性ペプチチド探索およびシーズ遺伝子特異的濃縮法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560964
研究機関広島大学

研究代表者

岡村 好子  広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (80405513)

研究分担者 斎藤 祐見子  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (00215568)
キーワードペプチド合成酵素遺伝子 / GPCR / ペプチドリガンドスクリーニング
研究概要

本研究は難培養微生物が生産しているオリゴペプチドに着目し、創薬標的として注目を浴びているGPCR (Gタンパク質共役型受容体)リガンド活性に基づいたスクリーニングによる取得と、その生成に関わる遺伝子の特異的取得方法の確立を目的としている。
具体的には、申請者らが構築したカイメン共生・共在バクテリアのメタゲノムライブラリーの部分配列に基づいて構築されたデータベース中から、モチーフ検索によってアミノ酸リガーゼモチーフを持つクローンを選択し、スクリーニング対象を10万クローンから数十~百数十クローンに絞り、スクリーニングの効率化をはかっている。GPCR (MCHR1, BRS3)のリガンドアッセイは、ヒトBRS3をヒト胎児腎臓細胞由来HEK 293T細胞に導入した一過性発現株を用いている。またチャイニーズハムスター卵巣細胞由来CHO細胞はHEK 293Tと異なるリガンド感受性を示すことから、この細胞を用いた一過性発現系も用いた。これらを用いて、120クローンの培養上清と反応させ、顕著なシグナルが得られるクローンをスクリーニングする。
また、本方法では、陽性クローンが保持する遺伝子の解析を行い、GPCRリガンド合成遺伝子を同定することが可能である。
さらに、環状ペプチド合成酵素であるNRPS遺伝子の全長をメタゲノム中から特異的に増幅して、取得する方法も確立する。
以上の研究によって、難培養性細菌のメタゲノムライブラリーを用いたペプチド性GPCRリガンドの同定と原遺伝子特定は、未利用遺伝子資源を有効活用する手法を提供し、メタゲノムソースを鋳型とするペプチド合成遺伝子の特異的遺伝子増幅と全遺伝子領域の取得法を確立することで、今後のメタゲノムからの創薬シーズ探索の発展を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

従来のスクリーニング効率より100倍効率を引き上げ、BRS3と反応する因子を生産している陽性クローン2株を得た。そして、精製度を上げていき、まだ、同定には至っていないが、特定のフラクションまで追い詰めている。また、25年度は、2株のうち、より活性が明確な#42 株に絞って研究を進めた。#42 株が持つプラスミド中にクローニングされたメタゲノム断片の全長シークエンスを決定した。その結果、活性に必要な領域には少なくとも3つのORFがコードされており、そのうち2つはオペロンを形成していることが分かった。これらのORFを個別にクローニングしたクローンを作製し、BRS3へ活性を示す生理活性物質生産に必須な遺伝子を特定することを目指している。
「細菌1細胞分離法および全ゲノム増幅法の確立」はNRPS特異的プライマーを用いて、夾雑細菌が存在する中、NRPS陽性細菌のみを特異的に、全ゲノム増幅に成功した。これにより、目標は達せられたと結論した。今後は、細菌1細胞分離法1および00kbにおよぶ遺伝子全長をホストにクローニングする方法について検討していく予定である。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、①リガンドの同定、②リガンド生成遺伝子の同定を集中して行う。①リガンド同定には、現在絞り込んだ画分をさらに微量HPLCを用いて分画し、純化する。純化されたリガンドを、Orbi-Trap MS/MS解析により構造決定する。②リガンド生成遺伝子の同定では、現在作製中の、各ORFの個別クローンを用いて、リガンドアッセイを繰り返し、当該遺伝子が含まれる領域を特定する。このクローンが生産したリガンドと①で構造決定されたリガンドの構造と照会し、生成遺伝子(あるいは遺伝子クラスター)を決定する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] バイオミディア 小さな生き物の大きな仕事2013

    • 著者名/発表者名
      岡村好子
    • 雑誌名

      生物工学会誌

      巻: 91 ページ: 155

    • 査読あり
  • [学会発表] オーファン受容体bombesin receptor subtype-3 (BRS-3)の代替リガンド探索2013

    • 著者名/発表者名
      徳丸雄一、岡村好子, 斎藤祐見子
    • 学会等名
      日本動物学会第84回岡山大会2013
    • 発表場所
      岡山大学津山キャンパス
    • 年月日
      20130926-20130928
  • [学会発表] Screening of a Bioactive Compounds and Their Genes from a Metagenomic Library of Sponge- Associated Bacteria2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshiko Okamura
    • 学会等名
      BIT's 3rd Annual World Congress of Marine Biotechnology
    • 発表場所
      Hangzou Blossom Water Museum Hotel, Hangzou, China
    • 年月日
      20130923-20130925
    • 招待講演
  • [学会発表] カイメン共在バクテリアメタゲノムを用いた好中球調節ペプチドの高効率スクリーニング2013

    • 著者名/発表者名
      椎田敦之、高橋宏和、鈴木克彦、竹山春子、岡村好子
    • 学会等名
      第65回生物工学会大会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      20130918-20130920
  • [学会発表] 非リボソーム合成酵素遺伝子を有する細菌特異的なゲノム増幅法の開発2013

    • 著者名/発表者名
      岡村好子、高橋宏和
    • 学会等名
      第15回マリンバイオテクノロジー学会大会
    • 発表場所
      沖縄県市町村自治会館
    • 年月日
      20130601-20130602
  • [学会発表] カイメン共在バクテリアメタゲノムライブラリーを用いた抗炎症ペプチドのin sillicoスクリーニング2013

    • 著者名/発表者名
      椎田敦之、鈴木克彦、竹山春子、岡村好子
    • 学会等名
      第15回マリンバイオテクノロジー学会大会
    • 発表場所
      沖縄県市町村自治会館
    • 年月日
      20130601-20130602

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公開日: 2015-05-28  

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