高い耐熱性を持つが常温・低温での活性が小さい好熱菌酵素の工業利用を推進するには、低温活性の改善法の確立が望まれる。研究代表者は、本研究以前に2つの好熱菌由来脱水素酵素の低温活性を、補酵素との結合に関わるアミノ酸の置換によって改善した。本研究に於いても同様に補酵素結合アミノ酸の置換によって超好熱菌由来グルコース脱水素酵素の低温高活性化に成功した。つまり、補酵素のアデニンと結合する非極性アミノ酸の側鎖体積をメチル基一つ分変化させることによって、多くの好熱菌由来脱水素酵素の低温高活性化が達成できることを明らかにした。この手法によって、これまで以上に酵素の産業利用を推進できる可能性がある。
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