研究課題/領域番号 |
24560969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 祥夫 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (60321907)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 酸化ストレスマーカー / センサー / 分子プローブ |
研究概要 |
平成24年度は、本申請者によって開発したタンパク質検出用蛍光分子プローブを改良し、アルデヒド修飾タンパク質を特異的に検出するための化合物の設計及び合成を中心に行った。具体的には、タンパク質との疎水性相互作用による複合体形成および分子内のICT状態の変化によって強い蛍光発光を誘起する部位として4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-4H-ピランを有し、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-4H-ピランと、二重結合を介してフェニル基を結合させることによって、共役系を伸長し、励起波長および蛍光波長の長波長化を引き起こすように分子設計した。さらに、アルデヒド修飾タンパク質への特異性を高めるため、促すために、チアゾリノン基とヒドラゾン基を導入した。今後、合成した物質の評価にあたり問題となる点は、通常、サンプル中のアルデヒド修飾タンパク質濃度に対して、添加する分子プローブの濃度は高いため、未反応の分子プローブがタンパク質中のカルボニル基以外の部分と相互作用して蛍光を発することによって、分析精度が低下することである。合成した化合物は、アルデヒド基と反応した分子プローブの構造は、反応前の構造と比較して、共役系が伸長しているため、励起波長および蛍光波長共に、反応前のそれよりも長波長側にシフトするように設計した。以上のことから、分子プローブの反応後の構造から発せられる蛍光と、反応前の構造から発せられる蛍光は容易に区別することが出来るため、上記問題点は解決出来ると考えられる。合成した化合物の確認は、1H-NMR、質量分析を用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、酸化ストレスマーカーを検出するための化合物の設計、合成を完了することであり、当初の目標を達成することが出来たため
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、酸化ストレスマーカーを検出するための蛍光分子プローブの合成を続けながら、合成が終了した分子プローブの性能評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
機能性分子プローブの性能評価のための試薬、溶媒、マイクロプレートリーダおよび、機能性分子プローブの合成、評価のための試薬、溶媒、ガラス器具の購入を本補助金を用いて行う。
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