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2012 年度 実施状況報告書

超異方性複合材を用いたモーフィング翼構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560970
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

横関 智弘  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50399549)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード航空宇宙工学 / 構造・機能材料
研究概要

将来航空機の環境適合性や飛行安全性の向上を図る技術として期待されている可変形状翼(モーフィング翼)を実現するための構造・機構として、本研究では軽量複合材料を用いた超異方性コルゲート型翼構造を提案し、コルゲート構造の力学モデルの構築と駆動に関する解析を試みた。
円弧型、サイン型などの様々な形状を考慮したコルゲート構造について、理論的解析に基づき、柔軟な波方向と剛な波に垂直な方向についての等価剛性モデルを構築した。得られた剛性予測式を用いて、各種形状パラメーターについて剛方向と柔軟方向の剛性比に基づき最適化を試み、本研究では、モーフィング翼に対してU字型のコルゲート形状を採用することとした。
一方、モーフィング翼の駆動方法として、モータによるワイヤー駆動、及び空気圧による駆動の2つの方式を検討した。上述のコルゲート構造に対し、両者による2次元的な駆動を行う際のモーフィング翼の変形予測について、接触や大変形を考慮した理論解析及び非線形有限要素法による数値解析により試みた。両駆動方式において解析モデルを構築できたとともに、駆動の実現性を確認できた。また、特定の翼形状について、作用する空力荷重を汎用コードにより推算し、空力荷重の影響を考慮した数値解析も実施した。コルゲート構造内の応力分布や駆動に必要な力を推算する手法を確立し、今後のモーフィング翼開発の基盤となる設計解析手法を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、超異方性コルゲート型翼構造をモーフィング翼に適用することを提案し、モーフィング翼に適用可能な可変翼構造要素に関する設計技術・駆動技術を確立することを目的として実施している。特に、平成24年度は、超異方性コルゲート型翼構造をモーフィング翼に適用するため、設計に必要な力学モデルの構築と、駆動方法の検討を行うことを計画していたが、その目標は達成したと言える。コルゲート構造の剛性予測手法を確立することで、次年度以降のモーフィング翼構造の試作に対し、設計を行うことが可能となった。また、本年度の駆動方法検討から、実現可能なモーフィング翼構造の目処が得られたと同時に、駆動に関する解析手法も確立できたことで、試作に有用な設計解析手法を構築でき、次年度以降の研究も予定通り進めることができると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成24年度に構築した力学モデルを活用し、モーフィング翼構造の最適化を図る。また、確立した駆動に関する解析方法を利用し、モーフィング翼構造にアクチュエーターを組み込んだ可変翼構造要素の開発を進める。尚、研究進行状態に応じて、製作するモーフィング構造は、バージョン更新など、製作・改良を繰り返すことを予定している。
試作するモーフィング構造については、荷重試験・駆動試験等により、可変性能・健全性・翼構造としての耐久性を評価し、特性確認及びモーフィング構造としての実現性を評価する。特に、変形中や駆動中に要求形状に変形しているか、コルゲート構造に微視的損傷などが発生・蓄積していないかなど、駆動実証だけでなく、変形中の性能評価、非破壊検査技術を用いたコルゲート構造の健全性評価などを緻密に実施することで、設計法や駆動法の妥当性確認を行う。

次年度の研究費の使用計画

本年度の力学モデル構築の際、実験により一部確認できていないデータがあるため、その確認試験に要する物品費として次年度に使用する。

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公開日: 2014-07-24  

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