人工衛星における帯電現象は、放電等による機器の破損の可能性があるために、通常は回避すべき現象である。本研究では、逆に、電子ビーム等の利用により積極的に人工衛星を帯電させることで、推進力として利用する可能性を検討をした。地球周回軌道においては、帯電衛星と地球磁場との相互作用により生じるローレンツ力による微小推力は、複数の衛星の編隊飛行維持に利用する可能性があることを示した。太陽周回軌道においては、衛星と小型の小惑星の帯電によって発生するクーロン力と重力を組み合わせて小惑星の軌道を微修正することが可能であることを示した。
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