内部に気体圧力を加えて展開し,その形状を維持する目的で膜材料によって作られたガスインフレータブルはり構造の曲げ特性に関して,方もちインフレータブルはりでは実験的に得られる荷重ーたわみ曲線と大きくずれることが明らかになったため,理論的計算と実験結果との違いを合理的に説明するための新しい理論構築を行ってガスインフレータブルはり構造の設計に役立てることを目的にしている. 上記目的の遂行に当たって,有限要素法の定式化と計算ならびに実験との比較によるアプローチを行うが,初年度においては,力学的モデル構築と予備的実験による有限要素法モデルの構築と三次元写真応用計測システムの導入によりその有効性を確認し,二年度目においては,ガスインフレータブルはりを主翼ストリンガーとして利用した航空機構造の変形計測への適用を行い,このような主翼構造の変形特性,特に,外皮の座屈特性について研究を行った.三年度目においては,カメラを二台に増やすなどの改良を行って写真撮影中の実験装置被写体内部の圧力変動に伴って生ずる形状のわずかな変動による誤差をのぞくと共に,カメラ原点を固定することに伴う種々の変形状態の比較を容易にすることができた.
|