研究課題/領域番号 |
24560979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
大津 広敬 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (20313934)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 再突入飛行体 |
研究概要 |
バルートを用いた再突入飛行体システムでは、ドーナツ型のバルートと再突入機は複数本のケーブルで接続されるため、このケーブルの長さを調整することにより空気力を制御することができる。しかし、再突入機から発生する衝撃波がバルートから発生する衝撃波と干渉することにより、再突入飛行体システム全体にかかる空気力が大きく変化し、姿勢安定性が損なわれる可能性がある。本年度の研究では風洞実験により姿勢安定性を調べた。 風洞実験では、再突入機とバルートの位置関係により発生する衝撃波干渉と姿勢安定性の関係を調べた。再突入機から発生する衝撃波の内側にバルートが入ってしまう場合、バルートが傾いていなければ姿勢が安定するものの、傾いている場合は非定常にバルートが振動する結果となった。一方、再突入機から発生する衝撃波がバルート中心部(内側)を通過する場合は、バルートの傾斜角によらずに姿勢が安定する結果となった。 従って、本システムにおいて揚力を積極的に利用するためには、再突入機から発生する衝撃波がバルート中心部を通過することができるくらいバルートを大きくすることにより、バルートの姿勢が安定することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究結果により、バルート形状の設計基準を確立することができ、次年度以降の形状設計における重要な指針を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
数値流体シミュレーションによる揚力発生に関する形状最適化を実施し、そのシミュレーション結果の検証のために風洞実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
形状最適化のためには詳細な数値流体シミュレーションが必要であるため、シミュレーション実施のためのワークステーションを購入する。 また、その解析結果を検証するために風洞実験を行う。その実験に使用する模型は正確に形状を再現するために3次元プリンタを使用する。そのための材料を購入する。 また、今年度の研究成果を発表するために、国際会議/国内学会に出席する。
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