荒天下を運航する船舶では,高波によりエンジン回転数が大幅に増減幅し,エンジンの故障する危険性がある. その対策として現在はエンジン回転数を最低限度まで下げる方法が採られているが,この方法には燃料消費量が増加する問題点が存在した. そこで評価関数を最適化することにより,エンジン回転数増減幅と燃料消費量増加の双方を防ぐ制御方法が検討されている. 本年度の研究では,この最適化手法として逆2次補間を用いた直接探索法を提案した. この手法によると,従来の評価関数の勾配に基づいてパラメータを修正し,最適点を目指す逐次最適化手法に比較して,より,短時間で制御系を最適な状態に調整できる可能性がある. 提案法の評価を,勾配法を用いた直接探索法とシミュレーション上で比較することにより,本年度提案の手法が昨年度までに開発した手法に比較して短時間で最適点に収束したり,収束過程が安定であることを確認した.
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