研究課題/領域番号 |
24560992
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
土屋 健伸 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50291745)
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研究分担者 |
遠藤 信行 神奈川大学, 工学部, 教授 (20016801)
穴田 哲夫 神奈川大学, 工学部, 教授 (20260987)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フォノニック結晶 / 音響レンズ / 集束音場 / FDTD法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,フォノニック結晶を用いた音響レンズの基礎特性の解明である.平面状音響レンズの周囲雑音イメージングのための最適設計を行うため,まずフォノニック結晶の構造パラメータである円柱の間隔(格子間隔)と円柱直径を変化させたシミュレーションを行った.その結果,単一周波数740kHzでのフォノニック結晶による平面音響レンズにおける構造体の円柱間隔および円柱直径の最適値を確認した.また,周波数特性を解析し,レンズ利得と焦点距離ならびにビーム幅等のレンズの基本性能となるデータを得ることができた.また,音波伝搬の解析には,Graphic Processing Unit(GPU)を利用するプログラムを開発し,計算速度を10数倍に高速化させた. 次に,フレキシブルな音響レンズの製作のためにフォノニック結晶体が有する負の屈折率の特性を確認した.具体的には,フォノニック結晶への入射角度に対する負の屈折率の変化を確認した.FDTD法による集束音場を解析すると同時に,フォノニック結晶体を試作して負の屈折率による入射角度特性を測定した.試作したフォノニック結晶構造体(円柱間隔1.5mm,円柱直径1.0mm,入射中心周波数740kHz)において,入射角度15~30度の時,大よそ-0.5程度の負の屈折率を有することが分かった. そして,音響レンズの広角化のために菱形形状の音響レンズを設計した.設計データに基づいて集束音場の解析を行い,平面型音響レンズに比べて利得が7dB程度向上することが分かった.また周波数特性に関しては平面形状と菱形形状の音響レンズの特性は,大枠は一致していることが分かった.
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