研究課題/領域番号 |
24560996
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
穴井 陽祐 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (60470051)
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研究分担者 |
丹羽 敏男 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10208267)
岩田 知明 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (50358397)
田中 義久 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (70399517)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 疲労強度 / 高周波処理 / 超音波ピーニング / 溶接継手 |
研究実績の概要 |
近年の溶接構造物の大型化・厚板化に伴い、疲労強度の板厚効果により、疲労強度への要求はより厳しいものとなっている。そのため、疲労強度改善に効果のある溶接止端部への二次加工処理に注目が集まっており、高周波処理法などの新技術に関する研究が国内外で行われている。本研究では、曲げ荷重が作用する部材に対して、高周波処理法のひとつである超音波ピーニングによる疲労強度改善効果ならびに板厚効果を明確にすべく、以下の研究を実施した。 (1)溶接止端部への超音波ピーニング施工 前年度に製作したT字隅肉継手試験片の溶接止端部に対して、超音波ピーニングの施工を実施した。ピーニング施工時においては施工時間等の計測を行い、施工後には疲労強度への影響因子として止端形状、残留応力の測定を実施し、溶接まま材との比較を行った。あわせて、有限要素法による応力解析、固有応力法による残留応力推定を行い、測定値との比較を行った。以上の検討の結果、超音波ピーニングの施工により、溶接止端半径の増大、圧縮残留応力の付与など、各因子が疲労強度を向上させる方向に変化していることを確認した。 (2)T字隅肉継手を用いた4点曲げ疲労試験の実施 超音波ピーニングを施工した試験片と溶接ままの試験片を4点曲げ疲労試験に供し、各試験片板厚でのS-Nデータを取得するとともに、板厚効果の評価を行った。その結果、曲げが作用するような継手の溶接止端部においても、超音波ピーニングの施工により、十分な疲労強度の改善効果が得られることが判明した。また、板厚効果については、超音波ピーニング材と溶接まま材とで、ほぼ同等の板厚効果指数を示すことがわかった。
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