油ガス田の60%以上を占めるフラクチャー型油ガス田の石油・天然ガス回収率を向上させることを目的として,フラクチャーに水を圧入したときの油の排出挙動を可視化実験と流動シミュレーションによって調べた。その結果,水の圧入位置や油の生産位置に依存して回収率が変化し,特に,油の生産位置周辺のフラクチャー開口幅が小さい時に回収率が増加する傾向があることがわかった。また,圧入圧力を変化させることでフラクチャー開口幅が変化して水と油の流動挙動が変化し,これに伴って回収率が変化することを確認した。圧入圧力を低くしてフラクチャーを開口させないように水を圧入した方が高い回収率が得られることがわかった。
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