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2012 年度 実施状況報告書

放射性廃棄物処理材料としてのマイクロポーラスチタノシリケートの改質と評価

研究課題

研究課題/領域番号 24561005
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山口大学

研究代表者

藤原 惠子  山口大学, 理工学研究科, 助手 (50253175)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードマイクロポーラスクリスタル / 陽イオン交換 / 放射性廃液 / XRD / 吸着材
研究概要

NaOH水溶液(KOH水溶液),SiO2,TiCl4-HCI水溶液とし、ポータブルリアクター等を用いて100℃(200℃)において水熱合成し、単相のNa及びK-GTSを得た。GTS粉末試料0.5gに濃度CSr=0.0005~1.0MのSrCl2水溶液25mLを加え、室温で24h振とうした後、固液分離-洗浄した。原子吸光分析法による上澄み溶液中のSr濃度の分析値から求めたSr交換体の組成式は、Na4(1-x)Sr2x[(TiO)4(SiO4)3]・yH2O (0.1≦x≦0.75)及びK3(1-x)Sr3/2x[(TiO)4(SiO4)3]・yH2O (0.14≦x≦0.85)となった。TEM-EDXによる沈殿の組成は、Na-GTS を用いてCSr=0.2Mの時x=0.9、K-GTS を用いてCSr=0.05Mの時x=0.4であった。また、K-GTSを用いてCSr≧0.02M の時、XRDパターンには共沈したSrCO3の回折ピークがみられた。Na-GTSの方がK-GTSよりSr交換能が高いと言える。Na及びK-GTSの場合、GTS交換体の格子定数(偽立法晶系)aの有意な変化は見られなかった。
XRDパターンはSr組成の増大とともにNa-GTS交換体の100, 211ピークの相対強度が減少し、K-GTS交換体の110, 200ピークの相対強度が増大した。
スピリドノーバらが報告したSr交換体の原子位置座標から計算したXRDのパターンよりNa-GTS交換体は4e, 6gサイトの占有率を11.3と7%として計算すると、110, 111, 200のピーク強度が実測値に近づき、K-GTS交換体は4e, 6gサイトの占有率を0と30%とすると、110, 111, 200のピーク強度が実測値に近づいた。ピーク強度の違いは、Sr2+占有サイト4e, 6gにおける占有率の違いによると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は多種多様な条件で陽イオン交換体を作成するためには、500mL容器のポータブルリアクターを用いて水熱合成法(100℃)により大量のNa-GTS型チタノシリゲートが合成できた。Co, Sr塩化物水溶液の濃度、処理時間などを系統的に変化させて試料を調製した。しかし、CST型チタノシリケートについては、単相の粉末試料を得ることが出来ていないため、GTS交換体と比較検討に至っていない。

今後の研究の推進方策

チタノシリケートは、放射性廃液中の137Cs、90Srなど選択的に吸着するイオン交換剤として注目されている。133Baも廃液中に含まれる放射性同位体元素の1つであるので、平成24年度に得られたNaおよびK-GTSを用いてBa2+イオン交換特性と構造評価を行う。Ba塩化物水溶液の濃度および処理時間などを系統的に変化させて試料を調製し、イオン交換種による特性の違いを明らかにする。また、チタノシリケートの希土類イオン交換体の研究は少ないので、希土類金属内でイオン半径が大きいLa3+イオンおよびイオン半径が小さいYb3+イオンの交換特性を調べる。調製したGTS型チタノシリゲートの陽イオン交換体について、原子吸光分析法、FT-IR、XRD、TEM、などを用いた分析、評価を行なう。TG-DTA装置を用いて、脱水温度、含水量及び、チタノシリゲートの骨格構造の安定性などについて検討する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Structural Phase Transition of Li2MnSiO42012

    • 著者名/発表者名
      N. Nakayama
    • 雑誌名

      Trans. Mat. Res. Soc. Japan

      巻: 37 ページ: 333-336

    • 査読あり
  • [学会発表] Srイオン交換GTS型チタノシリケートの結晶構造2013

    • 著者名/発表者名
      藤原 惠子
    • 学会等名
      第93春季大会日本化学会
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・草津キャンパス(滋賀県)
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] Li2MgGeO4の構造相転移2013

    • 著者名/発表者名
      中山 則昭
    • 学会等名
      第93春季大会日本化学会
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・草津キャンパス(滋賀県)
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] Crystal Structures of Cobalt Exchanged Sodium GTS-Type Titanosilicates and The Elution Test by Acid Solution2012

    • 著者名/発表者名
      Keiko FUJIWARA
    • 学会等名
      IUMRS-ICEM2012
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20120924-20120926
  • [学会発表] Structural Phase Transitions of Li2MgSiO4 and Li2MgGeO42012

    • 著者名/発表者名
      Noriaki NAKAYAMA
    • 学会等名
      IUMRS-ICEM2012
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20120924-20120926
  • [学会発表] Crystal Structures and Phase Relations of Li2MnGeO4 and Li2FeGeO42012

    • 著者名/発表者名
      Noriaki NAKAYAMA
    • 学会等名
      IUMRS-ICEM2012
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20120924-20120926
  • [学会発表] Crystal Structure and Hydration State of Co- and Sr-exchanged GTS type Titanosilicates2012

    • 著者名/発表者名
      Titorenkova Rositsa Hristova
    • 学会等名
      ZMPC2012
    • 発表場所
      アステールプラザ広島(広島県)
    • 年月日
      20120728-20120801
  • [学会発表] GTS型チタノシリケートのSr2+イオン交換

    • 著者名/発表者名
      岸森 智佳
    • 学会等名
      MRS-J山口大学支部 支部発表会
    • 発表場所
      山口大学工学部(山口県)

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公開日: 2014-07-24  

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