研究概要 |
NaOH水溶液(KOH水溶液),SiO2,TiCl4-HCI水溶液とし、ポータブルリアクター等を用いて100℃(200℃)において水熱合成し、単相のNa及びK-GTSを得た。GTS粉末試料0.5gに濃度CSr=0.0005~1.0MのSrCl2水溶液25mLを加え、室温で24h振とうした後、固液分離-洗浄した。原子吸光分析法による上澄み溶液中のSr濃度の分析値から求めたSr交換体の組成式は、Na4(1-x)Sr2x[(TiO)4(SiO4)3]・yH2O (0.1≦x≦0.75)及びK3(1-x)Sr3/2x[(TiO)4(SiO4)3]・yH2O (0.14≦x≦0.85)となった。TEM-EDXによる沈殿の組成は、Na-GTS を用いてCSr=0.2Mの時x=0.9、K-GTS を用いてCSr=0.05Mの時x=0.4であった。また、K-GTSを用いてCSr≧0.02M の時、XRDパターンには共沈したSrCO3の回折ピークがみられた。Na-GTSの方がK-GTSよりSr交換能が高いと言える。Na及びK-GTSの場合、GTS交換体の格子定数(偽立法晶系)aの有意な変化は見られなかった。 XRDパターンはSr組成の増大とともにNa-GTS交換体の100, 211ピークの相対強度が減少し、K-GTS交換体の110, 200ピークの相対強度が増大した。 スピリドノーバらが報告したSr交換体の原子位置座標から計算したXRDのパターンよりNa-GTS交換体は4e, 6gサイトの占有率を11.3と7%として計算すると、110, 111, 200のピーク強度が実測値に近づき、K-GTS交換体は4e, 6gサイトの占有率を0と30%とすると、110, 111, 200のピーク強度が実測値に近づいた。ピーク強度の違いは、Sr2+占有サイト4e, 6gにおける占有率の違いによると考えられる。
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