研究概要 |
シリカの微粒子粉末をNaOH水溶液に溶かした溶液に塩酸に溶解した四塩化チタンを加え、室温で1時間撹拌した。得られた懸濁溶液を耐圧容器に移し合成温度100, 120, 150, 200℃で24時間水熱処理を行った。仕込み組成比は、TiO2/SiO2 = 0.32, Na2O/TiO2 = 4~14に変化させた。合成温度と仕込み組成が変わるとチタノシリケートであるAM2,CST,natisite が合成された。単相のNa-GTSは、4 ≦Na2O/TiO2 ≦ 5.6、水熱合成温度100 ℃で得られた。La3+とYb3+の GTS交換体は、単相のNa-GTS 0.5gをそれぞれ、1~24時間、室温でLaC13またはYbCl3の水溶液(25mL、0.01≦CLa(CYb)≦0.1M)で振とうした後、固液分離-洗浄して得た。Na4(1-x)M4/3x[(TiO)4(SiO4)3] ・nH2O (M=Yb, La)のxを交換率と定義し、EDX分析により交換率を求めた。0.05MYbCl3水溶液,振とう時間6hで交換処理して得られた試料の交換率は0.7、0.02MLaCl3水溶液,振とう時間3hで交換処理して得られた試料の交換率は0.3であったが、La交換体には、La2(CO3)3が析出していることがわかった。XRDパターンより格子定数はイオン交換により減少した。減少率はYb交換体では0.4%、La交換体では0.7%であった。溶液の濃度が大きくなると、100, 200, 211のピーク強度は小さくなるが、 110, 111のピーク強度は大きくなった。これより、希土類イオンの交換サイトとして一般的に知られている4eと6g siteの内、Yb交換体のYb3+イオンは、4e siteへ優先的に占有している可能性が高いと考えられる。
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