研究課題/領域番号 |
24561006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
所 千晴 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90386615)
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研究分担者 |
沼子 千弥 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80284280)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヒ素 / フッ素 / ホウ素 / 水酸化物共沈法 / XAFS / 表面沈殿 |
研究概要 |
水酸化物共沈法によるF(-I)、BおよびAs(V)処理を行ない、有害元素と水酸化物沈殿との相互作用について検討を行なった。 Al(III)塩によるF(-I)の共沈処理では、非飽和型のBET型様の等温線の形状が認められ、除去機構がF/Alモル比に依存していることを見出した。一方固体分析により、共沈処理によって水酸化アルミニウムに加えて新たに別の沈殿物が生成していないことも確認された。よってF-による単層吸着のみでなく、多重錯イオンによる多層吸着が発言していること、さらに収着機構は表面錯体形成によるものであると示唆された。 Mg(II)塩によるBの共沈処理では、非飽和型のBET型様の等温線の形状が認められ、除去機構がB/Mgモル比に依存していることを見出した。XRD分析より、B/Mgモル比増加に伴い炭酸マグネシウムと表面沈殿ではないかと推測される未知の物質の生成が促進されることが確認され、収着機構がB/Mgモル比の増加に伴い表面錯体主体から表面沈殿主体へと変化することが示唆された。 Fe(III)塩およびAl(III)塩によるAs(V)の共沈処理でも、収着等温線は非飽和型のBET型様の等温線の形状となり、除去機構がAs/FeまたはAs/Alモル比に依存していることを見出した。またゼータ電位測定とXRD分析、XAFS分析より、特定のAs/FeまたはAs/Alモル比以上で低結晶性ヒ酸鉄,低結晶性ヒ酸アルミニウムの生成がAs(V)の収着において支配的になることが分かった。よって収着機構はAs/Feモル比またはAs/Alモル比の増加に伴い、表面錯体主体から表面沈殿主体へと変化することが示唆された。 各種共沈処理による実験結果を受け,水酸化物共沈処理の再現を試みた。収着機構を表面錯体形成と表面沈殿生成の2つに大別し,新規に構築した表面沈殿モデルの組み合わせにより処理のモデル化を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であったXAFSおよびゼータ電位等を用いた共沈メカニズムの解明をほぼ終えている。また、国内外の重金属フィールドの情報収集についても知見を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、さらに収着モデルを組み込んだ熱力学モデリングによるデータベース構築を目指し、さらにSi等の物質も加えて普遍的かつ系統的なモデル構築を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
XAFS等の実験や成果報告、情報収集のための国内外の旅費と、実験遂行のための消耗品購入のために使用する。
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