ホタテ,カキなどの貝殻の廃棄物は,海岸などに放置され腐敗臭等の環境問題の要因となっている.これらの貝殻の主成分は炭酸カルシウムであり,カルシウムを含む各種化合物の原料,あるいはセメントやプラスチックの充填剤としての再利用が期待できる.本研究では,これらの廃貝殻由来の炭酸カルシウムを生活,農業あるいは工業排水中に含まれるリンの除去材として再利用するとともに,晶析反応で炭酸カルシウム表面に生成したリン酸カルシウムを用いた鉛,カドミウムなどの重金属の除去を検討した.晶析型脱リン材の作製は,粉砕したホタテ貝殻を石膏と混合し,イオン交換水を加え硬化させることにより作成した.
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