エネルギーや機能性材料へのバイオマスの利活用は、循環型社会を構築していくための重要な挑戦の一つである。植物バイオマス廃棄物から低温熱分解・炭化処理により調製されたバイオマス炭が、タンパク質の耐熱化担体として大変有効であることを見出した。バイオマス炭はタンパク質を効果的に吸着することができた。バイオマス炭吸着タンパク質の熱安定性は遊離タンパク質よりはるかに高く、また水溶液pHやイオン強度、温度などの吸着条件に強く依存した。さらに、タンパク質構造の観点から耐熱化のメカニズムも明らかにした。他方、タンパク質変性剤である有機溶媒中においてもバイオマス炭はタンパク質の変性を抑えることが判明した。
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