研究課題/領域番号 |
24561020
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
辻 龍介 茨城大学, 工学部, 教授 (40188537)
|
キーワード | 慣性核融合 / 燃料球 / 位置計測 |
研究概要 |
平成25年度の目標は、自由落下する燃料球の位置計測の実証と画像の1次元化である。 平成24年度に購入したパルス光源(窒素レーザー、半導体レーザー)を、自由落下する模擬燃料球に照射し、燃料球の位置計測の実証と画像の1次元化を行う予定であったが、当初、落下と照射のタイミングのズレが生じ、自由落下する燃料球の位置計測に困難が生じていた。そこで、照射のタイミングを精確に合わせるノウハウを得る目的で、傾いたガイドレール上を転がる模擬燃料球に対してレーザーが正しいタイミングで照射されるテストシステムを構築した。製作過程で、光電センサーの位置と燃料球の位置の関係によってセンサーが起動する時間にズレが生じている事が分かった。1個のセンサーを使用していた事で球が横切る位置によって球が光を遮る量に変化が生じ、それがセンサーの起動タイミングのズレとして生じた事が分かった。そこで、複数個のセンサーを組み合わせたところ、センサーの起動のタイミングは球が横切る位置に依存しなくなった。このセンサー信号を10MHzのクロックのカウンターと組み合わせ、進行方向にたいして2箇所を横切る時間間隔を精確に計測するシステムを作成できた。現在、ガイドレールではなく、本来の自由落下で検証すべく実験を継続している。 紫外線レーザーによるアラゴスポットのシリンドリカルレンズによる1次元化を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に達成すべきことは、自由落下する燃料球の位置計測の実証と、画像の1次元化である。 平成25年度中には自由落下する燃料球の位置計測の実証は出来なかった。しかしガイドレール上を転がる燃料球の位置計測を実証する過程で、なぜ自由落下の場合に照射のタイミングのズレが生じる原因を明らかにした。現在、本来の自由落下で精確なタイミングで照射できるように実験を準備中である。 また、画像の1次元化について、確認・実証した。 さらに、アラゴスポットの距離依存性に関して、トンネルを使用して実験を行い50mの距離からも観測される事を確認した。これは、ポートを通しての炉外から、炉内の燃料球の位置計測ができる事を意味している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度では、自由落下する燃料球の実時間での位置計測、軌道計算とミラーの実時間制御を行う為に、本年度開発した位置計測ユニットを改良し複数個製作し、計測制御システムを構築する予定である。その為に、(1)各ユニットの位置計測データの収集し、(2)位置計測データから軌道計算を行い(3)軌道計算に基づきミラーの制御量を計算出力する、というシステムを、この順番で開発を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の実験を行うにあたって困難が生じたため、若干の部品を購入し手持ちの部品等を利用して簡単なシステムを構築し原因究明を行った。したがって、平成25年度に作成しテストすべきシステムの主な部品等をまだ購入していないのが次年度使用額が生じた理由である。 使用計画としては、(1)平成25年度中に作成する予定であった自由落下の位置計測システムを構築するためにの部品を購入する予定であり、同時に(2)当初計画の平成26年度分として、複数の位置計測ユニットを組み合わせてシステムを構築するために部品(センサー、コントローラ、光学部品)を購入する予定である。
|