研究実績の概要 |
本研究は、LHDにおける電子サイクロトロン(EC)波加熱手法を高密度プラズマにも適用可能とし、またその安全で適切な運用を確保するものである。そのために、従来のEC波を用いた加熱法では不可能であった波動の遮断密度以上のプラズマ加熱を、プラズマ実験装置高磁場側からのEC波入射を可能とすることにより達成される電子バーンシュタイン波へのモード変換を利用して実現した。また、大電力のEC波ビームがプラズマに吸収されなかった場合のLHD真空容器の損傷を防ぐためのインターロックシステムを構築した。これにより、EC波入射によるプラズマ生成に失敗した場合および入射中にプラズマの電子密度が閾値を下回った場合の入射停止、その後電子密度が回復した場合の再入射開始などの措置を自動で行えるようになった。このインターロックシステムは特に長時間入射設定を行う定常実験において重要であり、LHDにおけるEC波を用いた定常実験の進展に大きく寄与した。2014年には350kWのEC波電力で1.1×1019 m-3の線平均電子密度、中心電子温度2keV以上のプラズマを39分間維持し、それまでの240kW、0.7×1019 m-3、1.5keV、30分間の記録を大きく更新することが出来た。これらの成果は以下3件の国際会議[1-3]および論文[4]で発表済みおよび発表予定[1]である。 [1] Y. Yoshimura et al., 8th IAEA TM on Steady State Operation, Mar. 26-29, 2015, Nara [2] Y. Yoshimura et al., Plasma Conference 2014, Nov. 18 - 21, 2014, Niigata(招待講演) [3] Y. Yoshimura et al., 18th Joint Workshop on ECE and ECRH, Apr. 22-25, 2014, Nara [4] Y. Yoshimura et al., Long-pulse Plasma Discharges by Upgraded ECH System in the LHD, EPJ Web of Conferences 87, 02020 (2015), DOI: 10.1051/epjconf/20158702020
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