溶接などで生じる不均質領域が水素透過挙動に与える影響を調べるため、複数箇所にTIG溶接施したSUS304ステンレス鋼試験体を用いて、523Kから673Kの温度域での重水素透過流量を測定した。その結果、不均質領域のある試験体と溶接を施していない試験体の定常透過流量はほとんど一致し、この温度領域では溶接で生じる不均質領域は定常透過流量に影響を与えないことを明らかにした。このことから、核融合炉においてSUS304ステンレス鋼で構成された機器、配管等の水素透過は、溶接による不均質領域には影響されず、これまで報告されているSUS304ステンレス鋼の水素透過を元に評価して良いことが明らかとなった。
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