研究課題/領域番号 |
24561034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
梶原 健 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (90450311)
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研究分担者 |
小田 靖久 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 任期付研究員 (60512209)
高橋 幸司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (70354644)
坂本 慶司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, グループリーダー (90343904)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ジャイロトロン / マルチ周波数 |
研究概要 |
ミリ波領域における唯一の高パワーかつ連続運転が可能な電磁波源である高パワー長パルスジャイロトロンの3周波数以上のマルチ周波数化のためには、空胴で発振したミリ波を、取り出しが可能なガウスビームに変換するモード変換器をマルチ周波数に対応した変換器として再設計する必要がある。また、モード変換器から出力窓までの準光学伝送系をマルチ周波数に対応させることも事も不可欠となる。その第一歩として、今年度は現有する170/136GHzの2周波数ジャイロトロンを3周波数で発振させることを目指した。まず、確認のため2周波数ジャイロトロンを102GHzで発振させた場合の放射パターンの計算を行ない、出力窓での集光を調べた。その結果、102GHz発振においても、出力窓の中央に集光されることが期待できることが分かった。そこで、実際に170/136GHzの2周波数ジャイロトロンで102GHzの発振を試みたところ、短パルスでの発振に成功し、その出力パターンを得ることができた。この実験により得られた出力パターンの詳細を出力窓位置においての計算と比較を行ない、ほぼ一致していることを確認した。これにより、モード変換器におけるモード変換を計算するモード変換計算コード及びモード変換器から出力窓までの伝搬を計算する伝搬計算コードが102GHzの低周波数においても正常に機能していることが明らかになった。これらのコードを用いて現在2周波数に対して設計されているモード変換器及び伝送系を来年度において3及び4周波数のマルチ周波数に対して最適化することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標であった現有する2周波数ジャイロトロンでの3周波数発振に成功し、また、その出力を計算と比べた結果、3つの周波数に対してモード変換器の変換を計算するコード及びモード変換器から出力窓までの伝搬を計算するコード共に正常に動作していることが明らかになった。これにより、これらのコードを用いて来年度に予定しているマルチ周波数に対応したモード変換器及び伝送系の最適化が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の結果より計算コードが3周波数以上のマルチ周波数においても正常に動作することが明らかになっため、今後は実際にマルチ周波数に対してモード変換器及び伝送系の最適化を行ない、最終的にはモード変換器を製作し、低パワー試験においてその健全性を確かめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
モード変換器及び伝送系をマルチ周波数に対して最適化するために、高速で計算可能なワークステーションを購入する。
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