本研究の目的は,照射脆化材の破壊靱性値Jcの試験片寸法依存性を定量的に補正する手法を構築することにある.ASTM規格等で定められている試験片ではプロセスゾーンがリガメント寸法に比して十分小さく,この場合には力学要因(き裂先端の応力分布差)に基づく補正が可能であることに着目した. 成果として,(1)Jの不完全性を確認(2)Jcの板厚に対する下限値予測手法を提案(3)修正Ritchie-Knott-Rice破壊評価基準と有限要素解析を用いた試験片間Jc補正手法を構築,した.その結果,日本で各種試験片を用いて蓄積されたJcデータを,IAEA推奨試験片相当のJcへ換算することが可能となった.
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