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2012 年度 実施状況報告書

マイクロ波誘電吸収法によるDNAの劣化評価と線量評価への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24561039
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井大学

研究代表者

泉 佳伸  福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (60252582)

研究分担者 松尾 陽一郎  福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 特命助教 (90568883)
山野 直樹  福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 特命教授 (10397044)
砂川 武義  福井工業大学, 工学部, 教授 (60329456)
小嶋 崇夫  大阪府立大学, 地域連携研究機構, 助教 (70360047)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードDNA / マイクロ波誘電吸収
研究概要

本事業の開始時期に本事業の参加者が集まって打合せを行い、計算科学、分子生物学、マイクロ波技術の研究者がお互いにこれまでの知見、計画等を改めて発表し合い、ディスカッションを通じて情報共有を図った。また、適時、電子メイル等で進捗について連絡を密に取った。
計算科学によるDNA構造変化・誘電 率変化のシミュレーションとモデル構築では、当初の目標を達成するため、DNA解析用並列計算機システムとして 解析用ワークステーション、C++コンパイラ等を購入し、解析に必要となる放射線輸送 計算コードPHITS、分子動力学プログラムAMBER等 を整備するとともに本研究で用いる環状プラスミドDNA(pUC118)のモデリング に着手した。
DNAの構造変化の従来法及びマイクロ波誘電吸収法を用いた実測では、装置を設置した実験室環境の室温変動等の影響が小さいながらもあり、極微量のDNA試料の照射に伴う微小変化を検出するために、その対処方法について検討し、改良した。また、酵素反応による二本鎖切断生成物の単離に成功するとともに、その回収率を大幅に向上させた。アガロースゲル電気泳動による実験を進め、電気泳動による検出限界は50Gy程度であることが分かった。一方、50Gy程度の照射に伴う変化は、本手法によれば検出可能であり、本手法の優位性を確認した。
装置の改良・製作及び検証の為には、小型コンパクトな装置の概念設計を行い、平成25年度に製作出来る見通しとなった。また、測定システムの自動化、改良を進め、測定の迅速化と高精度化が進んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分子動力学プログラムAMBERは最新の AMBER12を導入し、計算処理速度の高いGPUプロセッサを使用することによりDNAモデリング計算を効率よく行っている。
DNAの構造変化については従来法と本手法での実測を行い、本手法の優位性を確認した。
また、より小型の改良型測定システムの概念設計を行った。

今後の研究の推進方策

(i)計算科学によるDNA構造変化・誘電率変化のシミュレーションとモデル構築 24年度に得られた知見を基に、モデルの改良を行う。また、当該年度の(ii)及び(iii)で得られる知見とも比較検討し、生体内等の水溶液系DNA試料の放射線化学反応の機構のモデルを提案する。
(ii)DNAの構造変化の従来法及びマイクロ波誘電吸収法を用いた実測 24年度の実験研究を継続し、DNA濃度、吸収線量の影響を、ゲル電気泳動及びマイクロ波誘電吸収法でさらに詳細に測定する。
(iii)装置の改良・製作及び検証 24年度に行った設計に基づき、また最新データなどの知見も取り入れ、改良型マイクロ波誘電吸収測定装置の製作を行い、装置システムとして完成させる。製作した改良型マイクロ波誘電吸収測定システムの性能(測定精度、検出限界など)を評価し、高い性能が得られる様に調整を行う。

次年度の研究費の使用計画

放射線輸送計算コードMCNPX及び原子核データ処理コードNJOYは当初計画と異なり、米国の配布方針が変更され、開発元の米国オークリッジ研 究所及びロスアラモス国立研究所より直接購入する必要が生じたため、24年度繰越金及び25年度交付金を使用して購入する。
その他については、24年度の予算執行状況が当初計画と大きくは違わず、25年度の予算使用計画については、当初予定と大きく変わらない。金額の大きなものでは、装置の改良・製作及び検証のために、S-バンド空洞共振器その他に130万円強を費やす予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] マイクロ波誘電吸収法を用いたDNAの評価と 線量計応用のための基礎的検討2013

    • 著者名/発表者名
      岡田翔太、松尾陽一郎、河田拓也、砂川武義、小嶋崇夫、泉佳伸
    • 学会等名
      日本原子力学会 2013年春の年会
    • 発表場所
      大阪府
    • 年月日
      20130326-20130328
  • [学会発表] 生体物質を用いた線量計に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      河田拓也、岡田翔太、砂川武義、小嶋祟夫、松尾陽一郎、泉佳伸
    • 学会等名
      日本放射線安全管理学会第11回学術大会
    • 発表場所
      大阪府
    • 年月日
      20121204-20121206
  • [学会発表] THE DETECTION OF THE DNA STRUCTURAL CHANGE USING THE MICROWAVE DIELECTRIC ABSORPTION SPECTROMETRY AND SYSTEM CONSTRUCTION AIMING AT DOSIMETRY2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu IZUMI, Takeyoshi SUNAGAWA, Youichirou MATUO, Takuya KAWADA and Takao KOJIMA
    • 学会等名
      12th International Conference on Radiation Shielding (ICRS-12)
    • 発表場所
      奈良県
    • 年月日
      20120902-20120907

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公開日: 2014-07-24  

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