イオンビームグラフト重合法において,基板フィルムを高フルエンスで照射することで,グラフト重合されない領域が形成されることがわかった.本学加速器のマイクロイオンビームラインに照射チェンバーを設置し,百マイクロメートルの太さの線領域にグラフト鎖を導入することができた.グラフト鎖部分に水を添加してゲル状態とした試料,およびポリカーボネートを銅イオンビームで照射した試料共に導電性を確認した.さらに導電性高分子材料のグラフト重合を試みた.以上のことから,機能を持ったグラフト鎖を基板高分子シート内部の任意の場所に3次元的に導入することが可能なことがわかった.
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