研究課題/領域番号 |
24561054
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村上 朝之 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (20323818)
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キーワード | 電磁流体力学 / 発電 / プラズマ |
研究概要 |
次世代のクリーンエネルギー源としての太陽光エネルギーの高度利用を念頭に置いた[太陽光/太陽光励起レーザー/電気]エネルギー変換コンセプトを提言し、これを可能とする革新的な電磁流体力学(MHD)発電の実現を目的とする。大気圧条件下で生成されるレーザー誘起プラズマの特性を把握することは、レーザー駆動MHD発電機を実現するために極めて重要である。 昨年度までの研究進展を踏まえ、衝撃波管駆動方式のみならずレーザー駆動方式リニア形状ファラデー型MHD発電実験へと研究を展開した。ここでは特に、レーザーブレイクダウンプラズマのシミュレーションモデルの開発を行う必要がああり、大気圧プラズマを対象としたシミュレーション研究を行った。実験研究成果を鑑みたモデリングを行い、ヘリウムガス・湿潤空気の混在する実環境における極めて豊富な化学種の挙動およびその複合化学反応過程を明らかにした。特に、ナノ~ミリ秒スケールで変化する電子温度・電子数密度・準安定種密度・電気伝導度・輸送係数等の物理量を把握した。このことは、レーザー駆動MHD発電機を実現する上で極めて意義深い。また、ここで開発した数値計算コードは、レーザープラズマのみならず、広く大気圧プラズマ等の特性シミュレーションにも利用できるという汎用性を有している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大気圧プラズマ物理化学シミュレーション研究において顕著な進展を遂げた。 世界的に実験作動気体(ヘリウムガス)の供給が滞ったため実験頻度は減少したものの、衝撃波管駆動リニア形状ファラデー型MHD発電機を用いた基礎的な実証実験において注目すべき成果をあげ、学術論文・国際国内会議論文の業績を得た。
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今後の研究の推進方策 |
研究進展を踏まえ、衝撃波管駆動リニア形状ファラデー型MHD発電、パルス放電駆動リニア形状ファラデー型MHD発電、レーザー駆動リニア形状ファラデー型MHD発電それぞれの特性把握を行い、高温ガス状態および発電機規模(形状)の最適化を行う。研究を円滑に推進するため、今年度も大気圧プラズマ物理化学シミュレーション研究を精力的に進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に必要な作動気体ヘリウムガスの供給が世界的に滞り実験頻度が低下したため。 実験計画のさらなる最適化を図り量的な減少分を質的な増加で補う。このため実験研究に先立つ数値シミュレーション研究を飛躍的に進展させる。
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