浮体式洋上風力発電システムにおいてトレードオフ関係にある発電出力の変動と浮体動揺を同時に抑制しうるシステムの多目的最適制御手法を開発した.まず,従来手法の改良として,翼ピッチ角操作による回転数制御系における制御パラメータの新たな調整指針を提案し,その有効性を明らかにした.さらに,浮体式システムを多入力多出力システムと捉え,翼ピッチ角の操作により定格発電出力を保持するだけでなく,発電機トルクの操作により浮体動揺を抑制する手法を開発した.数値シミュレーションを通して,開発手法の制御パラメータを適切に設定することで,従来の手法に比べて発電出力の変動と浮体動揺を大幅に低減できることを明らかにした.
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