各種建物用エネルギー供給システムの更新問題に対し、経済性や省エネルギー性の観点からより望ましい合理性に富む計画立案を行うための方法論を検討した.より実用性の高い方法論を確立するために、事務所ビルや病院等の建物を具体的に取り上げ、電力・冷暖房・給湯用エネルギー供給システムの更新計画問題に対して、最適化手法を導入することにより,数値分析的計画立案を行った.対象建物の季時ごとに変化するエネルギー需要量を年間に渡り推定し、機器、特に太陽電池ー蓄電池系の劣化特性や新規導入機器の技術進歩を織り込み、需要量に対するシステム運用計画を考慮しながら評価期間内で何時の時点でどのようにシステム更新を行うのが望ましいかという解を導出した.また、1回のシステム更新計画問題のみならず、より長期的な視点から2回更新計画問題についても検討を加え、上述の研究目的を達成する方法論の提案を行うことが出来た.
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