研究課題/領域番号 |
24570001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
澤村 京一 筑波大学, 生命環境系, 講師 (90247205)
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研究分担者 |
石川 裕之 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (00398819)
松野 健治 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60318227)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遺伝学 / 進化 |
研究概要 |
以下のような手順により、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子をキイロショウジョウバエに導入することに成功した。 ①オナジショウジョウバエのヌクレオポリン96遺伝子を含んだBACクローン(DSM1-010P23)をナショナルバイオリソースプロジェクト・ショウジョウバエより入手し、ゲノムの当該領域をサブクローニングした。さらにこれをpattBプラスミド(ミニwhiteを含んでいる)に導入した。 ②キイロショウジョウバエの系統y sc v P{y[+t7.7]=nos-phiC31/int.NLS}X; P{y[+t7.7]=CaryP}attP2の初期胚に上記のプラスミドをインジェクションし、形質転換体を作製した。この系統は、本来のキイロショウジョウバエ由来ヌクレオポリン96遺伝子に加えて、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子を持っている。 ③ヌクレオポリン96遺伝子の機能欠損変異体キイロショウジョウバエと上記の形質転換体とを交雑することにより、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子だけを持ったキイロショウジョウバエの系統を確立した。この系統は第3染色体のバランサーTM3とのヘテロ接合体として維持している。 確立した系統を用いて、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子はキイロショウジョウバエの遺伝的背景において、ホモ接合で雌雄ともに生存し妊性を持つことが明らかになった。この点は、これまでに分かっているオナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン160遺伝子がキイロショウジョウバエの遺伝的背景において、ホモ接合で雌不妊を示すことと対照的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子をキイロショウジョウバエに導入することに成功した。さらに、確立した系統を用いて、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子がキイロショウジョウバエの遺伝的背景において、ホモ接合でどのような表現型を示すか調査することができた。
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今後の研究の推進方策 |
オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン160遺伝子とその近傍のゲノム領域をキイロショウジョウバエに導入した種間イントログレッション系統がすでに作製されている。これに今回確立したオナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子をキイロショウジョウバエに導入した系統と交配することにより、ヌクレオポリン160遺伝子とヌクレオポリン96遺伝子の両方を種間置換した系統を作製する。これらの遺伝子はバランサー染色体とのヘテロ接合として維持する。これらのいずれかあるいは両方がホモ接合となった個体の表現型を調査することにより、ヌクレオポリン160遺伝子とヌクレオポリン96遺伝子の相互作用を解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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