研究課題/領域番号 |
24570001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
澤村 京一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90247205)
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研究分担者 |
石川 裕之 千葉大学, 大学院理学研究科, 准教授 (00398819)
松野 健治 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60318227)
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キーワード | 遺伝学 / 進化 |
研究概要 |
オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン160遺伝子およびヌクレオポリン96遺伝子は、キイロショウジョウバエの遺伝的背景において雑種致死および雌不妊の原因となることが知られている。本研究の開始前にわれわれはオナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子に置換したキイロショウジョウバエの系統を得ていた。また本研究の初年度には、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子に置換したキイロショウジョウバエの系統を新たに確立することに成功した。 本年度は確立した系統を用いて、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン96遺伝子と同ヌクレオポリン160遺伝子を組み合わせることで、何らかの表現型が現れるかを観察した。その結果、一方がホモ接合(あるいはヘミ接合)、他方がヘテロ接合である個体は問題なく生存することが判明した。このことはキイロショウジョウバエとオナジショウジョウバエの雑種第1代において、ヌクレオポリン160遺伝子あるいはヌクレオポリン96遺伝子がホモ接合(あるいはヘミ接合)になった場合に、致死となるという事実と対照的である。致死となる個体の遺伝子型と致死とならない個体の遺伝子型は、これら2つの遺伝子座に関する限り同じであることから、雑種致死を引き起こすためにはこれら以外の遺伝子が関わっていることが推測される。雑種第1代では全ゲノムが2種由来のヘテロ接合であるという点を考慮すると、オナジショウジョウバエがもっている第3の不和合遺伝子はキイロショウジョウバエに対して優性であることが推測できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、キイロショウジョウバエの遺伝的背景において、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン160遺伝子およびヌクレオポリン96遺伝子に関して、一方がホモ接合(あるいはヘミ接合)、他方がヘテロ接合であるような遺伝子型の個体を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
キイロショウジョウバエの遺伝的背景において、オナジショウジョウバエ由来のヌクレオポリン160遺伝子およびヌクレオポリン96遺伝子に関して、両方がホモ接合(あるいはヘミ接合)であるような遺伝子型の個体を得て、表現型を観察する。最終的にはこれらの成果をまとめ、学術論文を執筆する。
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