研究課題
1) 無麻酔での線虫の全中枢神経の同時計測の実現: 4Dイメージングシステムの高速化と高精度化により、麻酔を使用すること無く線虫のほぼ全中枢神経に近い150個以上の頭部ニューロンの同時可視化と計測を実現することができた。他の研究における類似のイメージングでは麻酔が必要であることが多いが、本システムにより麻酔を使用すること無く、全中枢神経のライブイメージングが可能となった。2) 自発的活動の計測と解析 : 4Dイメージングを使用することで、無麻酔かつ無刺激条件下において、複数のニューロンの自発的活動を詳細に計測することにより、線虫の中枢神経系の自発的活動は、複数のニューロンが同期した周期的なリズムであること、また、逆位相の周期を示すグループが存在することが、明らかになった。3) 自発的活動に対する摂動:線虫が好む匂い(イソアミルアルコール、IAA)用いて、自発的活動に対する匂い刺激の影響を調べた結果、自発的な発動をしていない感覚ニューロンあるいは、それらに入力を受けている介在ニューロンは、匂い刺激に正常に応答するにもかかわらず、自発的活動のリズムにはほとんど変化がなかった。このことから、自発活動を行っている複数のニューロンは、匂い刺激に対して頑健性を持った活動パターン生成をしていると考えられた。4) ギャップジャンクションを構成する分子の一つであるINX-7の機能喪失型変異体では、自発活動の頻度と大きさが小さい傾向が観察された。このことから、線虫の中枢神経系における自発活動にはギャップジャンクションが関与していることが示唆された。
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Bioinformatics
巻: 5;30(12) ページ: 43-51
10.1093/bioinformatics/btu271