スゴモリハダニ属の種を中心に研究を行い、同一種とされていたケナガスゴモリハダニのチシマザサ寄生個体群とクマイザサ寄生個体群の間に生殖的隔離があることを発見した。また,四国のネザサから新しいスゴモリハダニを発見した。さらに中国におけるスゴモリハダニ3種を日本産7種を合わせて,系統,生活型,生活史および行動の詳細を比較検討し,この属の適応放散が,安定な寄主植物上で様々な種の天敵との相互作用によって起きたことを示した。この属は,従来ハダニ類のSchizotetranychus属に含まれていたが,それがかけ離れた独立の属であることが実証されたことで,ハダニ類全体の系統関係は大幅な修正が必要となろう。
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