研究課題
平成27年度には、これまでジュゴン奉納骨の調査を行ってきた竹富町新城下地島の七門御嶽が町の文化財に指定される運びとなった。そのためにこれまでの成果の説明会を同町で行うことを目的として、一般向け説明資料作成や旅費に用いるために本科研補助事業の延長申請を行って認められた。しかし指定は来年度の見通しとなったため、これまでの成果を「海洋と生物」誌の特集として取りまとめた。その結論として、本科研で目的としたジュゴンの復元のためには;①まず沖縄島に常住する3~4頭について、その保全対策を充実させること。②フィリピンルソン島の北部と島嶼についてフィリピンと共同調査・共同保全を行い、増加個体が八重山諸島に分散してくるのを待つことがあげられる。さらに③マレーシアなどのジュゴンが数百頭レベルで常住している地域において、捕獲個体による人工繁殖の共同研究を行う。その成功を待って、西表島に佐渡のトキの場合のようにジュゴン保護センターを設置する。そこで増やした個体を放して自然分布を促す。琉球王朝が300年以上の長きにわたって300頭レベルで維持してきた八重山のジュゴンは、明治末期に数年間で獲り尽くされた。ジュゴンは亜熱帯沿岸海洋生態系に欠かせない要素であり、奄美・琉球列島の世界自然遺産登録を期に、復元をめざすべきだと考える。平成27年度の調査・研究としては、東京国立博物館所蔵の根付130例について、北大総合博物館研究生の太子夕佳氏および国立科学博物館研究員の甲能純子氏と共にジュゴンの歯牙である可能性についての検討を行った。
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海洋と生物
巻: 219 Vol.37-No.4 ページ: 339-344
巻: 219 Vol.37-No.4 ページ: 345-350
巻: 219 Vol.37-No.4 ページ: 351-356
巻: 219 Vol.37-No.4 ページ: 357-363
Wildlife Forum
巻: 20(1) ページ: 16-18
哺乳類科学
巻: 55(1) ページ: 77-78