松川浦(福島県相馬市)において、3.11大津波による撹乱強度の異なる干潟13地点について底生動物群集の調査を継続し、震災前と比較した。種数や個体数は1年後にはほぼ回復したが、貝類の減少を含めて種組成には変化が見られ、いまだ回復途上であった。調査地点ごとの底生動物の回復は津波の撹乱強度とは関連せず、海水交換が良く底質環境が良好なところで早かった。 また、松川浦の周囲で大型底生動物の生息状況を調べたところ、護岸堤防の建設が進んだところでは、近隣の干潟に生息する種も含めて出現種数が減少した。これらのことから、底生動物の回復を図るには、生息場所の回復と保全が重要であることが示唆された。
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