本研究では、ハダニの寄主適応にかかわる遺伝子を明らかにする目的で、植物に異なる防衛反応を誘導するカンザワハダニの2系統(赤系統、白系統)を用いて、系統間のトランスクリプトーム解析を行った。その結果、赤系統では白系統よりも解毒関連酵素の発現量が高く、解毒関連酵素であるglutathion S-transferase (GST)とcarboxyl esteraseの活性も赤系統で白系統よりも高いことが示された。農薬(殺ダニ剤)に対する抵抗性を調べたところ、5種中3種の剤で赤系統で白系統よりも高い抵抗性が認められた。このことから、赤系統は潜在的に高い解毒能力を持つことが示唆された。
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