研究課題/領域番号 |
24570037
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中村 雅子 沖縄科学技術大学院大学, 海洋生態物理学ユニット, 研究員 (50580156)
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研究分担者 |
渡部 裕美 独立行政法人海洋研究開発機構, その他部局等, 研究員 (50447380)
佐々木 猛智 東京大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70313195)
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キーワード | 熱水地域 / 沖縄トラフ / 幼生加入 / ベントス群集 |
研究概要 |
沖縄トラフの熱水噴出域では、場所によって生物群集の多様性が大きく異なる。これらの生物群集は主に、固着性または移動能力の低いベントス(底生生物)により形成されている。それらのベントスは浮遊性の幼生期が唯一の分散可能期間であり、ベントス群集の形成や維持には、新規加入幼生が大きく影響している。本研究は、「ベントス群集間で見られる多様性の差異が、新規に加入してく幼生の種構成や量の違いに依存している」という仮説を立て、沖縄トラフ内の熱水噴出域にて、新規加入幼生の種構成や加入量の空間的、時間的変異を定量化することを目指したものである。加入幼生の定量化のため、人工幼生定着基盤(以下、基盤)を各熱水噴出域に設置する。設置後、数ヶ月以降に回収し、形態とシトクロームオキシダーゼサブユニットI (COI) の塩基配列から種を同定し、場所および年によって、基盤上の付着生物の種構成や量にどのような違いがあるのかを解析する。 平成25年度は、これまでに伊平屋北海丘と鳩間海丘に設置した基盤の一部を回収することが出来た。また、伊平屋北および鳩間海丘に基盤を再設置し、新たに、伊良部海丘と第四与那国海丘に基盤を設置する事が出来た。これまでに、形態観察により、基盤上に付着していた生物の同定を終えている。 結果の概要としては、基盤上の生物群集は、地域内地点間、および地域間で種構成や量に大きな違いがあった。今後、DNAから種同定の確認を行うとともに、基盤周辺との群集組成の比較などを行い、新規に加入してく幼生の種構成や量の違いが群集形成に果たす役割を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、台風により、基盤の設置および回収が不可能であったが、平成25年度は、2回の航海に参加し、2海丘での基盤の回収、再設置を行うことが出来た。また、新しい地点への基盤の設置も行う事が出来た。回収した基盤から、基盤上の付着生物の種構成や量を、地域内地点間および地域間で比較する事が可能となった。現在、形態観察からの種同定を終えており、遺伝子解析による確認の段階である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、これまでに回収した基盤に付着していた生物について、シトクロームオキシダーゼサブユニットI (COI) の塩基配列から種を確認する。これにより、基盤上の付着生物の種構成や量を、地域内地点間および地域間で比較する。また、出現頻度が高い種については、集団遺伝学的解析を行い、基盤に付着した生物の遺伝的集団構造の解析を目指す。 平成26年度は、潜航調査の予定がなく、これまでに設置した基盤の回収が難しい可能性があるが、JAMSTEC共同研究者の渡部氏と協力し、これまでに設置した基盤の回収および再設置を目指したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
他の研究費で賄えたこと、計算より低価格購入が出来たものあることから、このような差額が生じた。 今年度予定している、海外の共同研究者らとのミーティング費用の一部として使用させて頂く予定である。
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