研究課題
1. pect1-4株は、野生型に較べ、長日・短日いずれの条件でも早期花成を示し、花成制御経路の自律経路/春化経路を支配するFLCの発現レベルが低下することを確認した。2. CCT1過剰発現変異株であるcct1-2も早期花成を示すが、cct1-2もFLCの発現レベルが低下することがわかった。CCT1の過剰発現は、PC合成を増大させるが、同時にPE合成を相対的に低下させる。したがって、pect1-4とcct1-2は同じような経路で早期花成をしめると推定される。3. 野生株は低温にするとAOX活性がいったん低下するが、時間とともに回復する。一方、pect1-4株では、低温で低下したAOX活性が時間をおいても回復してこない。そこで、pect1-4とaox1aの遺伝学的相互作用を検証するために、二重変異株の作出を試みた。その結果、pect1-4 aox1aは胚性致死を示すこと、pect1-4 apc1a/AOX1aも部分的に種子成熟を阻害することを見いだした4. ap3様のホメオティック変異を示さないcct1-3およびcct2-3株を入手し、二重変異株を作出したところ、二重変異株は胚性致死を示した。また、cct1-3 cct2-3/CCT2株も部分的に種子成熟不全を示した。さらに、cct1-3 cct2-3/CCT2株の花は、部分的にap3様ホメオティック変異を示した。5. ap3様のホメオティック変異を示すcct1-1とap3様のホメオティック変異を示さないcct2-1の二重変異株cct1-1 cct2-1はホメオティック変異の程度が激しくなり、cct1-1 cct2-1株にCCT1過剰変異株cct1-2を掛け合わせると、ホメオティック変異が軽減することを示した。これらの結果は、ap3様のホメオティック変異の発現に、CCT発現レベルが影響することを示している。
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J. Plant Biol.
巻: 58 ページ: 183-192
10.1007/s12374-014-0587-y